ドラマ とんび 8話 感想 「旭の作文」 [ドラマ とんび 8話 感想]
3月3日、TBSテレビ日曜劇場 とんび 8話 を見ました
一番好きかも
ついにヤスさんが実の父親に会う
実の父親に会って、ヤスさんは小さい時に捨てられたのに、
今、自分が幸せなのは、あなたが生まれさせてくれた、お陰だと感謝する
一方、旭に会いに行って、会社の採用試験の旭の作文を内緒で見せてもらう
そこに、旭が母親が亡くなった本当の理由を海雲和尚から手紙で20歳のときに知った経緯が
書かれていた
この作文が秀逸である。
原作より旭の作文-要約-
就職試験での
作文のテーマー~嘘と真実について~
旭作文<タイトル:父の嘘>
「僕には母がいない。僕が三歳のときに事故で亡くなったのだ。事故の経緯は、小学校を卒業するときに、父に聞かされた。
荷物の下敷きになりそうだった父を、母が身代わりになって救った。
父はそれを打ち明けたあと、何度も僕に謝った。
大学二年生の冬、東京で成人式を迎えた数日後に、故郷から手紙が届いた。差出人は、父の幼なじみで、僕も赤ん坊の頃から可愛がってもらっていた照雲さんと言う和尚だった。
分厚い封筒の中には、照雲さんの父親の故・海雲和尚からの手紙が一緒に入っていたのだ。
海雲和尚の手紙には、おそらく安男はまだなにも話していないだろうから、と前置きして、
母の死のことが書いてあった。
海雲和尚の言う通り、父は僕が小学六年生ときに告白したきり、母の死については一度も話題に出さなかった。やはり母への贖罪の意識があるのだろうと思っていたが、そうではなかった。
母が自分の命と引き替えに救ったのは、ぼくだったのだ。
筆で書かれた海雲和尚の字は、僕の知っている字よりずっと弱々しかった。
きっと体の具合が悪くなってから書いてくれたのだろう。
手紙を読んで涙が止まらなくなったのは生まれて初めてだった。
誰に向かって、どんな思いで泣いているのかは自分でも分からなかった。
ただ、泣いているとき、ふと気づいたことがある。
ハナをすするときに片方の穴に指で蓋をして、右、左、右、左と交互にすするのは、テレビドラマの最終回や甲子園の高校野球の閉会式を観て泣くときの父と同じ癖だった。
和尚の手紙を読んで初めて気づいた。僕は確かに、母は父をかばって死んだんだと思い込んでいた。
だが、ほんとうにただの一度も、「父のせいだ」とは思わなかったのだ。
父は告白したあと「恨んでもいい」と言った。僕もそのときはうなずいた。
それでも、父を恨むことはまったくなかった。
我慢したのではなく、そんな思いはいっさい沸いてこなかったのだ。そのことが、僕はうれしい。
僕自身ではなく、僕に恨みを抱かせなかった父を誇りに思う。父は嘘をついていた。
僕は二十歳になって、事実を知った。だが、ほんとうにたいせつな真実というものは、
父と過ごしてきた日々にあったのかもしれない」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
当然のことながら、原作もドラマでも号泣するのは、ヤスさんと私である
【送料無料】とんび [ 重松清 ]
マイティーネクストV中学3年・5教科セット英語・国語・数学・理科・公民(セットでのご購入で、...
一番好きかも
ついにヤスさんが実の父親に会う
実の父親に会って、ヤスさんは小さい時に捨てられたのに、
今、自分が幸せなのは、あなたが生まれさせてくれた、お陰だと感謝する
一方、旭に会いに行って、会社の採用試験の旭の作文を内緒で見せてもらう
そこに、旭が母親が亡くなった本当の理由を海雲和尚から手紙で20歳のときに知った経緯が
書かれていた
この作文が秀逸である。
原作より旭の作文-要約-
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作文のテーマー~嘘と真実について~
旭作文<タイトル:父の嘘>
「僕には母がいない。僕が三歳のときに事故で亡くなったのだ。事故の経緯は、小学校を卒業するときに、父に聞かされた。
荷物の下敷きになりそうだった父を、母が身代わりになって救った。
父はそれを打ち明けたあと、何度も僕に謝った。
大学二年生の冬、東京で成人式を迎えた数日後に、故郷から手紙が届いた。差出人は、父の幼なじみで、僕も赤ん坊の頃から可愛がってもらっていた照雲さんと言う和尚だった。
分厚い封筒の中には、照雲さんの父親の故・海雲和尚からの手紙が一緒に入っていたのだ。
海雲和尚の手紙には、おそらく安男はまだなにも話していないだろうから、と前置きして、
母の死のことが書いてあった。
海雲和尚の言う通り、父は僕が小学六年生ときに告白したきり、母の死については一度も話題に出さなかった。やはり母への贖罪の意識があるのだろうと思っていたが、そうではなかった。
母が自分の命と引き替えに救ったのは、ぼくだったのだ。
筆で書かれた海雲和尚の字は、僕の知っている字よりずっと弱々しかった。
きっと体の具合が悪くなってから書いてくれたのだろう。
手紙を読んで涙が止まらなくなったのは生まれて初めてだった。
誰に向かって、どんな思いで泣いているのかは自分でも分からなかった。
ただ、泣いているとき、ふと気づいたことがある。
ハナをすするときに片方の穴に指で蓋をして、右、左、右、左と交互にすするのは、テレビドラマの最終回や甲子園の高校野球の閉会式を観て泣くときの父と同じ癖だった。
和尚の手紙を読んで初めて気づいた。僕は確かに、母は父をかばって死んだんだと思い込んでいた。
だが、ほんとうにただの一度も、「父のせいだ」とは思わなかったのだ。
父は告白したあと「恨んでもいい」と言った。僕もそのときはうなずいた。
それでも、父を恨むことはまったくなかった。
我慢したのではなく、そんな思いはいっさい沸いてこなかったのだ。そのことが、僕はうれしい。
僕自身ではなく、僕に恨みを抱かせなかった父を誇りに思う。父は嘘をついていた。
僕は二十歳になって、事実を知った。だが、ほんとうにたいせつな真実というものは、
父と過ごしてきた日々にあったのかもしれない」
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2013-03-03 23:13
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